第238回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2017年6月28日開催

飲み干した「千代の園」、そして「京矢」の料理


今月は、
熊本から『千代の園』をお招きして、蔵元を囲みました。

豊前街道(熊本〜小倉)の宿場町として栄えた熊本県山鹿市。
山鹿温泉や伝統工芸品の山鹿灯籠(祭!)の町として知られ、通りを歩けば
今もあちらこちらで往時の面影に出会います。
菊池川の程近く、米の集積地として賑わった下町惣門地区に佇む酒蔵が「千代の園酒造」です。
米問屋だった本田家は、1896年(明治29年)に酒造りを始め、本田酒造場を経て千代の園酒造を設立しました。はじまりが米問屋だったこともあり、創業以来、原料となる米に格別のこだわりを持ち続けてします。
大正から昭和にかけて栽培されていた酒造米「神力」を進化させ「九州神力」という新たな品種を作り出したほどです。
また、戦後、
まだ日本で普通酒が全盛だった時代に、全国の酒蔵に先駆けて純米酒造りに着手し話題を呼びました。
コルク栓を用いた大吟醸酒の商品化をはじめ、時代に即した挑戦を続けています。
今でも変わることなく100%自家精米を貫き続けるのには、そうした蔵の歴史があります。
千代の園の使命は、お客様に求められる酒をつくること。
料理との相性も考えながら、飲み手の心をとらえる酒造りを続けています。

当日は、中津さまにお越しいただき、蔵のこだわりを伺いながら
たっぷり千代の園を利くことができました。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「千代の園」 ゲスト:中津秀明さま 千代の園酒造

【出品酒】(写真左から)


1 大吟醸 エクセル 山田錦 精米40% 協会1801熊本酵母 コルク栓使用
2 純米酒 朱盃 山田錦+掛け米華錦 65% 熊本酵母
3 特別純米酒 朱盃(黒) 朱盃の55%磨き違い
4 吟醸 熊本神力 復活米「神力」だけを使用 55% 熊本酵母
5 純米吟醸 熊本神力 4番の純米酒
6 純米吟醸 産山村(うぶやまむら)の無農薬・鯉農法で栽培した五百万石だけを使用 55% 熊本酵母
7 吟醸原酒 ロックがうまい アルミ缶入吟醸酒を初めて発売 原酒 協会1801熊本酵母
8 大吟醸 プレミアム35 山田錦 35% 協会1801熊本酵母
9 極上赤酒
10 赤酒

すべて、美味しくいただけました。
酒米「華錦」は2000年に開発された熊本県産米、山田錦(父)と夢しずく(母)の掛け合わせ。米にこだわります。
その「朱盃」はどちらも美味しかったです。
神力も魅力ある米。米の旨味がしっかり感じられ、4)は間違いなく旨く、純米5)は特に冷やで◎
意外に美味しかったのが「7)ロックがうまい」、アルミ缶で邪道では?という先入観を見事に覆してくれました。原酒だから氷を浮かべて楽しむことを蔵は想定していますが、燗でも旨い!
実力のある蔵でした。



 
 今月の会場は 旬酒場「京矢」銀座店 
  


左から「湯葉酒盗掛け」,「鰯梅煮」,「エシャロット甘酢漬」,「薩摩蜜煮」,オレンジが「」自家製唐墨。


貝皿の中は「蒸し蚫」。そして存在感ある乾き物が「八角一夜干」

お通しの「じゃこ天」。


煮物「丸茄子」、「金目鯛」、「新じゃが」,

「モロッコ印元」、餡は「生姜餡」


お刺身は「平目とかつお」。


揚物「蟹真丈」。奥は「豆鯵唐揚げ」  
玉子とじそば



食事は「冷や素麺」

(2017年6月28日水曜日開催)


中津さんは,元「大関」の営業マン。退職されて12年ほど前に故郷に帰り、幼なじみの千代の園社長に乞われて入社。超大手と縁がないこの会、大手の内情を知る方に話を聞けたのは、参考になりました。酒質もさぞ上がっていることでしょう!



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